歯並びでお困りの方へ
歯並びが悪くて悩んでいる方は、歯列矯正治療によりきれいな歯並びと正しい噛み合わせを実現できます。当院のテーマである「健康的な歯を残す」ためには、矯正は必須の治療だと考えています。基本的には歯の自然な成長に任せるのが良いですが、歯並びや噛み合わせが悪いことでむし歯や歯周病になりやすくなるからです。
歯には本来、力が加えられた方向に移動する性質があります。その性質を利用して、適合する矯正装置をつけて歯に一定の力をかけて少しずつ動かし、悪い歯並びや噛み合わせを治します。
当院は専門医による矯正治療が木曜日・金曜日(毎月第3木曜日・第4金曜日午後)に行われます。歯並びの相談・治療については当院までお問い合わせください。症例によっては当院の小児矯正歯科医が担当する場合があります。※矯正を始める方でも初めは一般を受診してください。
不正咬合の種類について ※主に9種類あります。
上顎前突(じょうがくぜんとつ)
俗に「出っ歯」と呼ばれるもので、「下顎遠心咬合(かがくえんしんこうごう)」とも言います。
上顎が成長し過ぎている、または、下顎が上顎よりも奥に引っ込んでいる状態です。
下顎前突(かがくぜんとつ)
下顎が前に出ている状態で、一般的に「受け口」と呼ばれるものです。噛み合わせが逆になる「反対咬合」になってしまう場合もあります。通常は上の前歯が下の前歯にかぶさりますが、これが逆になるのが反対咬合です。
開咬(かいこう)
奥歯が噛み合っているのに前歯が咬み合わず、上下の歯にすき間ができてしまう状態のことです。前歯が噛み合っているのに奥歯が噛み合わない場合もあります。
叢生(そうせい)
一般的に「乱杭歯」と呼ばれるもので、歯が生えるスペースが足りず、歯が重なって生えている状態です。特に犬歯が飛び出ていることを「八重歯」と言います。捻転(ねんてん)と言って、歯が正面を向かずに捻じれている場合もあります。
上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)
上顎と下顎の両方が前に出ている状態で、口が閉じにくく、また外見からでも口元が出ているように見えます。
過蓋咬合(かがいこうごう)
噛み合わせがとても深くなっている状態です。通常、上の歯は下の歯の3分の1~4分の1を覆っていますが、過蓋咬合ではこれよりも深く下の歯を覆います。
交差咬合(こうさこうごう)
上下の歯を噛み合わせた際に、歯が横にずれている状態のことをいいます。交差咬合は放っておくと顎の左右がばらばらに成長し、顔が歪む可能性があります。早期の治療が必要です。
空隙歯列(くうげきしれつ)
俗に「すきっ歯」と呼ばれるもので、歯と歯の間にすき間ができている状態のことです。
特に前歯の歯と歯が離れている状態を「正中離開」(せいちゅうりかい)と言います。
切端咬合(せったんこうごう)
上の歯が下の歯の3分の1~4分の1を覆っているのが正常な噛み合わせですが、切端咬合では上下の前歯がまっすぐに生え、それぞれの先端がぶつかっています。
お子さんの矯正歯科治療
いつ頃から始めたらいいの?
当院では、早くて乳歯が生え揃う3歳ごろから始めます。
治療をどのタイミングで始めるかについては患者さんによって異なり、問題が遺伝によるものか骨格のずれによるものか、お子さんに過度なストレスを与えないか、生活習慣はどうか、など総合的に考えて決めます。
ただ、ご相談自体は早めの方が良いです。下顎前突(受け口)など骨格に問題がある場合は骨が軟らかい低年齢から始めることで治療がスムーズに進むことが多く、永久歯が生え揃う12歳以降だと、歯根が顎に固定されていて歯が動きにくく、治療期間が長引きやすいからです。
治療期間について
数ヵ月から2年程度です。歯並びによっては2段階に分けて治療を行うことがあります。いずれの場合も、お子さんの自然な成長に合わせて行います。
どんな治療を行うの?痛みってあるの?
歯並びによって治療法は異なりますが、小児の場合に特徴的なのは、顎を適切な位置に誘導する床矯正という矯正治療を行うことがある点です。痛みは多少ありますが、1週間もすればケロッとしているお子さんが多いです。
小児矯正の治療法について
矯正治療の方法は、年齢によって変わってきます。また、お口の状態によってお勧めする治療法が変わってきますので、先ずはご相談ください。
[幼児期の歯列矯正について]
幼児期に治療が必要な不正咬合は主に下顎前突(受け口)です。治療方法は子ども用のマウスピースである「ムーシールド」という矯正装置を使い、上下の顎のバランスを整えます。ムーンシールドは、常時はめているわけではないので、お子様へのご負担も軽くてすみます。
[小学生の歯列矯正について]
幼児期と同様、上下の顎のバランスを調整するほか、顎を広げて歯が並ぶ余裕を作ったり、部分的なワイヤーを使って一部の歯を矯正したりします。
[中高生の歯列矯正について]
永久歯が生え揃っているため、成人同様全体的な歯並びと噛み合わせをしっかりと矯正します。ワイヤーを通すためのブラケットを一つひとつの歯に装着し、そこにワイヤーを通して全体のバランスを見ながら矯正していきます。
大人の矯正歯科治療
矯正治療に年齢制限はありません。
当院では幅広い年代の成人の方が治療を受けており、中には80歳の方もいらっしゃるほどです。大人でも歯並びが悪い方が多いのでお気軽にご相談ください。ただ、子どもに比べて骨が硬いため治療が長期間にわたるケースがあること、また、口の中の状態によっては治療自体が難しい場合があるので、まずはご来院ください。
成人矯正の治療方法について
ワイヤーとマウスピースを使った治療方法があり、それぞれにメリット、デメリットがあります。
[ワイヤー矯正・表側]
ワイヤーとブラケットを使った矯正では歯の一つひとつにブラケットを装着するため、矯正の調整がしやすい利点があります。歯の表側に装着する治療ではどうしても口を開けたときに金属が見えてしまうため、人に知られたくない方や見栄えを気にされる方にとってはデメリットになり得ます。
[ワイヤー矯正・裏側]
ワイヤーとブラケットを歯の裏側(内側)につける方法もあります。目立ちにくくなる一方で、表に装着するものよりも費用が高くなり、舌が金属に触れるため人によっては違和感があります。
[マウスピース矯正]
透明なマウスピースをつけて少しずつ歯を動かしていく治療法です。目立ちにくく、また装用時間が決まっているものの食事や歯磨きのときなどに取り外すことが可能です。一般的な矯正治療よりは費用が高くなりやすく、矯正できる症状も限られます。
当院のマウスピース矯正治療
マウスピース矯正治療”インビザライン”とは
インビザラインは、世界100カ国を超える国々で提供され、これまで800万人以上の患者さんに使用されている(2020年1月時点)世界で最も知られているマウスピース型矯正装置です。矯正装置を外して普段通りに食事ができることから、ワイヤーのついた矯正装置に抵抗があった方にも選ばれています。
マウスピース矯正は透明に近いマウスピース型の矯正装置(アライナー)を歯に装着して歯並びを矯正します。治療の段階に合わせて新しい装置に交換しながら徐々に歯を動かしていきます。マウスピース型の矯正装置(アライナー)は従来のワイヤー矯正と比較して非常に目立ちにくい装置です。
歯を移動させる量が少ないケースであれば数ヶ月で終わることもありますが、ケースによっては2年以上かかることもあります。平均的な治療期間は1〜2年と言われていますが、治療計画によって異なります。
お悩みの方はお気軽にご連絡ください。
矯正治療のよくあるご質問
治療期間はどのくらいですか?
矯正の装置によって異なり、ワイヤー矯正が2年半~3年ほど、マウスピース矯正が1~2年程度です。ワイヤーでの矯正終了後は、リテーナーという後戻りを防ぐ装置を約1年間装着していただき、その後、徐々に外す時間を増やしていきます。
矯正中の歯磨きはどうすれば良いですか?
矯正中は装置がついているため食べ物のかすが口の中に貯まりやすく、より丁寧に歯磨きをしなくてはいけません。ブラケット周りは、歯とブラケットの間に歯ブラシを斜めに当てて磨き、歯と歯の間は歯ブラシを縦にして磨くなどの工夫が必要です。デンタルフロスや歯間ブラシを上手に活用することでお掃除がスムーズにできます。
虫歯にならないためのケアは必要?
もちろんです。当院では一般歯科も行っているため、矯正治療中のむし歯などのトラブルにも対応できます。矯正中は歯磨きが十分にできていないことが多いので、月に1度はメインテナンスにご来院いただくことをお勧めしています。